• OPERA Vol.8 (EDGE COMIX)
    • 宮沢草雨「働かない男」 大学に合格するも長引く5月病でひきこもりのニートになってしまった三路、ひょんなことから高校時代の同級生矢島がAVに出演してると知り……。

 「働く男」がテーマの今号で「働かない男」を描いたマンガ。線はざっくりしてるけど絵は整っていて、作画もそうだけど作風も独特。
 主人公のダメ男、三路(さんじ)の着ているTシャツの柄が3時を指した時計だったり、「風を感じさせる男」矢島が「ヴィレッジヴァンガード」で買って三路にプレゼントした「おしゃれな絵本」がエドワード・ゴーリーの「不幸な子供」*1だったり、天井崩壊の最中に垣間見た矢島の幻影に飛びこんだら、手にしたのは彼が出演しているAVだったり、妙なテンションと演出がいちいちツボにはまる。
 同人誌時代からずっと好きな作家でいつかオリジナルの作品を描いて欲しいなぁ、と思っていたので商業デビューは素直に嬉しい。これからもマイペースに作品を発表していって欲しいです。

*1:親を亡くしたシャーロットという女の子が理不尽かつ悲惨な目に遭いまくる、最後に死んだと思われた父親が帰ってくるが……。不幸が報われるハッピーエンドや救い等フォローやカタルシスが一切用意されていない。ある意味清々しい作品。これをプレゼントとして送ることが許される関係性って限られてくると思う。

bookmarks for the day

冬コミ3日目の後にに友人と話していたこと。

「今日東館に行ったけど男性のオタクは礼儀正しい人とダメな人との差が極端だと思った。」
「どんな風に?」
「礼儀正しい人はぶつかったりすれ違ったりするときにきちんと謝ったり気を使ってくれたりするけれど、ダメな人は一言も謝らないし荷物がぶつかろうがカートがぶつかろうが他人を跳ね飛ばそうが見向きもしなかったりする。あの差はどこから来るの?」
「男性は欲望の表現の仕方が買う方も売るほうもストレートだからなー。猫まっしぐらじゃないけど本を買うのに夢中でその他の事柄に目が行っていないんじゃないだろうか。お目当てのサークルを次から次へ移動、途中にあるものは全て障害物なので迷惑かけても気がつかないと。」
「でもそのダメと良いの差がすごい。極端、中間が無い。混んでる所であきらかにひじで背中押してくる奴とかいるし。超痛い。」
「ダメな人は悪意があってそういう態度を取っているんじゃなくて他人に関心が無い、視界に入っていないからそういうことするんじゃないのかな。だからぶつかっても気がつかないし気づいていてもフォローしない。礼儀正しい人は買うのに夢中でも人とぶつかったり荷物持ってすれ違うときはちゃんと他人に気を使う。」
「ダメな人って普段どういう生活をしているんだろう。やはり普段から他人には無関心なのかな。」
「男性オタクから見た女性オタクのマナー等ってどうなのかな。」
「こういうのって男女差関係なくない?ダメな人はどこにでもいるよね。1日目の東館でジャンル的に若い参加者が多いところでは座り込むしうるさいしベンチに物置いて無駄に幅取るしマナー悪いのが多くてひどかった。」
「いやいや、私が見かけて迷惑を蒙ったダメな人は2日目の30代後半とみられるJUNE系参加者だった。しかも似た雰囲気の人とつるんでた。」
「具体的に何されたの。」
「ベンチに物置いて場所とってるから『すいません、座りたいので荷物どけてもらえませんか。』つったらすんげーいやーな顔して超しぶしぶという態度で荷物をどけていた。その後お仲間が二人くらい来て今日の戦果を嬉々として報告しあってた。甲高い声でハイテンションで。荷物はやっぱりベンチの上に置いていた。」
「若いのはともかく30代でそれってつらいわー。」
「なんか年取るとダメな人とそうでない人の差が極端になるよ。」
「それは男女問わず?」
「男女問わない。オタ系ショップで仕事してると電話口で買った同人誌に傷がついていたと絶叫し、俺がこの商品を買うのに使った時間を返せ、この同人誌はもう店頭で手に入らないから俺がこれからヤフオクでこの同人誌を落札するお金を賠償金としてお前らが支払えと叫ぶ30代男性もいれば、誤植を指摘するのに便箋に赤ボールペンで『何間違えてんのバカじゃね?』や『よくみろよバーカ』とでかでかと書き捨ててくる30代主婦3人の子持ちもいるし。」*1
「マジでかー。」
「マジ。普通の客のが多いけどね。」
「そりゃそうだわー、そんなんばっかだったら救いが無いわー。」
「どうも態度やマナーがダメ系の人はオタク以外の人と付き合いが無かったんじゃなかろうか。その手の言動に対して注意する人が誰もいない環境で過してきてしまったため、自分の態度が悪意は無くても人を不愉快にさせているという事に気がついていないのではないのか。」
「やっぱオタク以外の人と付き合いが無いのはダメなのかねー。」
「いや、これって友人知人の数や種類の多さ少なさ長さというより、やはり『その行動は他人を不愉快にさせる可能性があるよ。』的な指摘をしてくれる人がいなかったってことが大きいんじゃないか。」
「友人知人の質?」
「質って言うか似たような価値観、似たような考え方ばかりする人としか付き合わなかったというか。」
「それオタクだけに限らなくね?その業界から一歩離れると通用しない常識をさもそれが世の中全ての常識のように語ったり態度に出してドン引きされる人って結構いるし。」
「でもそういう人たちって特にオタクに多いような気がするんだ。」
「それはうちらがオタクだから目に付いてるだけだと思うよ。」

雑談の抜粋なので話が飛んだりまとまらないのはご愛嬌。

*1:クレームはクレームとしてきちんと対応するがクレームの出し方がアレな人がいるよねというお話です。

龍の花わずらい

砂漠のオアシス治める龍の一族の一人娘シャクヤ、彼女にはクワンという許婚がいるのだが、ある日5年前砂嵐に巻かれて行方不明となった最初の婚約者ルシンが帰ってきた。最初の許婚と現役の許婚、どちらが伴侶にふさわしいか、今から一年後、シャクヤの気持ちがどちらにあるかで決めることとなったのだが……。

アジアとかオリエンタルな世界観ってどうしてもある種の異国情緒的なくどさみたいなのを持ってしまうことが多いのだけど、この作品はその辺りをうまく消化してとっつきやすい少女漫画にしている作品だと思う。

また登場人物の書き方とその演出がうまい。お堅いクワンが時折見せる優しさや意外な腹黒さ、一見ナンパなルシンが垣間見せるシャクヤへの誠実な思い、普段は溌剌としたシャクヤのゆれる乙女心、これがコミカルな話の合間合間に絶妙なタイミングで差し込まれる。他にもはっちゃけてるけど結構しっかり者な侍女ルピナ、丸っこくて可愛らしい子虎のルーとクーと魅力的なキャラ達が脇を固めているまだ1巻目だけど続きが楽しみな作品です。

龍の花わずらい 第1巻 (花とゆめCOMICS)

龍の花わずらい 第1巻 (花とゆめCOMICS)

お、ちょうど5月2日に新刊予定だ。買い物リストに入れておこう。

龍の花わずらい 第2巻 (花とゆめCOMICS)

龍の花わずらい 第2巻 (花とゆめCOMICS)

ぬるヲタが斬る 腐女子向けの男性メイド(ギャルソン)喫茶を開きたい

実は私も友人とのヨタ話の中で似たような事を考えたことがある。その時はギャルソン喫茶ではなくコスプレホストから話が始まった。ただ話しているうちに、なんだかんだ言って女性オタクのメインとなる層は中学生〜高校生あたりが最も多く、彼女らの収入源はお小遣いがメインで経済力が無いので、お店は昼と夜の二部構成にし、昼間はギャルソン喫茶で、夜はコスプレホストクラブにした方がいいんじゃないかという話になった。昼間の喫茶店はギャルソンにイケメン揃えて750円〜1500円の軽めのランチやケーキセットメインのメニューで池袋での買い物帰りやイベントの帰りの中高生に気軽に足を向けてもらえるようにする。
夜のホストクラブはやや年齢高めのオタクをターゲットにリーマン系とか白衣系とか制服系とか取り揃えて週ごとにテーマを変えるとか、衣装によって接客が変わります!白衣系はお医者さん風に!リーマン系は会社員風に!*1お気に入りの男の子がいたら指名料と衣装料で好きなカッコウしてもらうとか、眼鏡はアクセサリーオプションとして衣装料とは別にお金がかかります。カラミ*2もあるよ!
女性オタクをターゲットにするつもりなら喫茶店単体で経営するよりCDドラマとかマンガとか何かの企画とタイアップした方がいいんじゃないかと思うんだけどね。あ、先に文中に書いちゃったけど、女性オタクをターゲットに店を構えるなら秋葉原より池袋の方がいいですね。秋葉原は千葉、埼玉、神奈川からのアクセスがいいけど女性向オタクのお店が少ないし街の雰囲気も女性向けじゃないと思う。東池袋なら女性オタク向けのお店も多いし、大宮、川越接続のりんかい線が通るからビッグサイトでのイベント帰りに足を伸ばせるんじゃないかなと。
でも実際に経営するとなるとどうなんでしょうか、採算取れるんでしょうか、どっかのチャレンジャーが果敢に挑戦して1年くらいで散ってくれれば面白いとは思いますが。
参考

Cafe吉祥寺で (1)  Wings comics

Cafe吉祥寺で (1) Wings comics

*1:どんな接客だよ!

*2:男同士の